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2006.08.29.Tue / 08:30 
思いの理論と対話療法 思いの理論と対話療法
小山 充道 (2002/05)
誠信書房
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 私の名前は桃井富範なので、平仮名で読むと、ももいとみのりとなる。思い、想いとももいとは母音が一致し、子音も最初の文字のもとおの違いのみなのだ。思いや想いという言葉を目にすると、なんだか自分のことをさししめされているような感覚になる。
 実際僕のことを知っている人間は、「いと思います。いと思われます。」という言葉をかけて、洒落て使用したりする。
 こちらの著者の方も北大出身の研究者の方で、世の中とは奇妙な縁で成り立っていると痛感する。
 著者によると、思いという言葉は日本人にとって、古来なじみ深く、また日常生活においても身近にある心の動きだという。
 今回の著書はカウンセリングのマニュアルとしての価値を持っているようだが、私にとって最も興味深かったのは「思い」という言葉に連なる熟語の一覧だ。
 列挙しよう。思い上がる(うぬぼれる)、思い余る(自分ひとりで解決できなくなる)、思い合わせる(結びつけて考える)、思い至る(考えが及ぶ)、思い入れ(深く思うこと)、思い浮かべる(想起する)、思い描く(創造する)、思い起こす(思い出す)、思い思いに(各自、思うままに)、思い返す(考え直す)、思い掛けない(意外だ)、思い切った(大胆な)、思いきや(意外にも)、思い切り(あきらめ、思う存分)、思い切る(決心する、断念する)、思い込む(強く決意する)、信じる、思い定める(決心する)、思い知らせる(はっきりわからせる)、思い過ごし(考えすぎ)、思い出し笑い(後で思い出して笑うこと)、思い出す(忘れていた過去のことを再び思う)、思い立つ(しようと思う)、思い立ったが吉日(思い立ったらすぐ実行すべきだ)、思い違い(勘違い)、思い付く(考えが浮かぶ)、思い詰める(深く思い込む)、思い出(思い出す過去の記憶)、思い通り(思っていた通り)思い止まる(あきらめる)、思い半ばに過ぎる(思い当たることが多い、ほぼ推察できる)、思いなしか(そう思うからか)、思いを残す(未練を残す)、思いの丈(恋する気持ちの全部)、思いの外(意外に)、思いを巡らす(あれこれ考える)、思いもよらない(思いがけない)、思い遣る(想像する、同情する)、思い煩う(考え苦しむ)、思いをいたす(あることをとりあげて、よく考える)、思いを晴らす(望みをかなえる、恨みをはらす)、思いを寄せる(心をそちらに向ける)…
 と様々存在するようだ。私は一体どのように落ち着くのか。
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2006.08.01.Tue / 19:38 
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 ロシア文学作品集が遂に完成した。今年は完成が初夏となったが、(いつもは春の卒業式のシーズン)それでも完成したのだから素晴らしい。
 私は今回で執筆が3回目ないしは4回目となる。最初はドストエフスキーの論文「残酷な才能」で翻訳を行ったが、あれはひどい代物だった。それにもかかわらず掲載させていただいたので感謝だ。
 修士ぐらいまでは単位を取得する手前、翻訳の授業に参加できるのだが、自分の研究に没頭していくと、そういう点が疎かになりがちだ。
 そういう点では、皆が翻訳の能力を競う場として建設的に作用している。
 今年はそれにしても、新生という感じだ。以前までは、教授連が翻訳をして下さっていて、とてもゴージャスだった。それに比べて今年は教授連の執筆がないが、外国の方が4名執筆に参加され、研究室以外の参加者が沢山いて、これからの発展を予感させてくれる。
 今回は私が外部の方の執筆をお願いしたのですが、有志輝く皆さんの御執筆を頂きました。感謝申し上げます。
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  エニアグラム  
2006.07.30.Sun / 20:17 
「9つの性格」で自分がわかる、相性がわかる!―エニアグラムで人生はうまくいく! 「9つの性格」で自分がわかる、相性がわかる!―エニアグラムで人生はうまくいく!
ヘレン パーマー (2004/10)
三笠書房
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 それでは次に書評するのは「9つの性格」で自分がわかる、相性がわかる!―エニアグラムで人生はうまくいく! ヘレン パーマーだ。
 他者認識というものが、人間の最も人間らしい特徴だといえる。自分以外の他者にも、自分と同じく自意識、プライド、野心、性欲、コンプレックス、葛藤が存在すると認識し、その認識を尊重し、共存共栄の行き方をするべきだが、それが青年期の人間にとっての必要なステップアップなのだ。
 その点で言うと、恋愛というのはそういう他者認識の機会として絶好なのだ。同性同士の付き合いだけなら喧嘩すればそのまま喧嘩別れで人生を別々に行くという選択も出来るが、異性となると話は別で、その中で(人間が自分の限界を悟る最も頻繁な機会だ)自分では成す術のない他者というものを認識し、成長していくのだ。
 そうやって男女が結ばれるとは奇跡なのだな。
 だが、述べたとおり、恋愛はとても甘美で成長を促すと同時に人間にとっても危険なものだ。恋愛によって命を奪われた人間が世に幾ら存在しただろうか?
 文学作品を読むと愛によって命を落としていった無数の人間達の生き様、死に様を見ることが出来る。
 まあ、「愛によって死んでいくなら念願かなったり!」という方は止めはしない。
 だが、「自分がいくらあがいても他者にはなれない」という点を自覚した上で、それでも生きていこうと決意して生きていかなければいけない。
 私もそうした自我の危機に直面し、苦しんだ(あるいは現在も苦しんでいる)が、その他者認識のために役立ったのが、今著作だ。
 エニアグラムでは人間を9パターンに分類している。これは躁鬱・癲癇・分裂の気質と神経質・パラノイア・ヒステリーと掛け合わせたものだ。人間は必ず9パターンのうちの1つに当て嵌まるという。
 そして今著作では、その相性を分析している。
 これはとても役立ったし、現在でも役立っている私の必携ツールの1つだ。
 
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2006.07.29.Sat / 21:16 
進化と人間行動 進化と人間行動
長谷川 寿一、長谷川 真理子 他 (2000/04)
東京大学出版会
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 最初に書評するのは先日図書館で入手した、進化と人間行動だ。
 進化論に関して言うと、高校時代に生物でメンデルの研究を齧ったり、ダーウィンに関する書物を読んだ程度で特にそれほどの興味はなかった。
 だが、文学部に入学し、恋愛経験を行い、ボクシング等のスポーツを行い、小説というのは何だかんだといって主に愛というテーマを取り扱っているのだが、それについて論文を執筆しなければならなくなってくると、単に感性だけに囚われない理論的な手法を用いざるを得なくなった。それは修士課程の時代だった。
 その際に出会ったのが進化ゲーム理論だったのだ。進化論研究も発達し、単なる植物や昆虫の生殖の研究だけではなく、現在では霊長類や人間の生殖行動のパターンも研究されている。修士論文でも進化ゲーム理論に関する参考文献を用いている。文学では男と女の様々な愛のゲームが記されているが、それを分析するためのツールとして役立てようというのが狙いだ。
 これも、進化ゲーム理論分析を行っている書物だが、2000年出版なので割と最近の書物だ。
 人間の進化行動にフォーカスを絞って具体的な分析を行っている。
 まあ、異性間におけるダブルスタンダードについての話は異性の思考や感性が余りに自らと違いすぎて混乱している方には一読してもらいたい部分だ。
 女性にとっての乱婚性についての記述も素晴らしい。
 ただ、エディプスコンプレックスなどの話題などについてはやはり客観的に分析すると文学研究に一日の長が在ると言わざるを得ない。
 こういった進化ゲーム理論に知識を持った人間がどのような進化行動をするのかというのもこれからの話題だ。
 だが、実地調査の成果を駆使した分析はこれからの確実な発展を予期させる。
 私としては文学研究で今後更に進化ゲーム理論を用いていくつもりだが、そういった研究分野で協力していければと思っている。
 著者の長谷川御夫妻の夫婦生活も後々自伝にでもされれば素晴らしいのではないかと思っております。
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